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私の手元に一冊の本がある。本の題名は『ラインの河辺』と云う。
作者は犬養道子。御存知の方もあるかと思うが、かの有名な犬養首相の 孫娘である。氏のドイツ在住中の生活体験を書かれたものだが 目次の第1章からドイツの窓のことが書かれていて私にとっては 大変興味深い内容だった。一部を紹介しよう。「まずドイツの“住” にはそこから学びとるべき要素や示唆を受けるに足る面があまりにも 多い、この民族特有のあたまのよさのあらわれで……抽象論は切り上げ て“窓”。よくいわれることで、各国各地の住体験のある人々が口を そろえてほめるのは、ドイツの窓のつくりは世界一だということである」 この本が書かれたのが1973年。私が初めてドイツに行ったのが1987年。 この頃にすでにドイツの窓の評価がなされていたと云うことである。 それからさらに20年、ドイツ窓の評価は少しの揺るぎも無い。 ![]() # by morimado | 2007-07-26 18:17
一般的にヨーロッパと呼ぶと非常に広い地域をさすが、
窓の世界とりわけ日本の木製サッシ業界等で認識して いるのはドイツ窓と北欧窓だ。 ドイツ窓はドイツを代表する窓だがいわゆるドイツ語圏 (スイス・オーストリア)の国々でも大変ポピュラーで そのほかチェコやイタリア等でも多く使われている。 一方、北欧の窓は複雑だ。ドイツから国境を越えてユトランド 半島に入ると窓は一変してエレガントな外開き窓となる。 格子のついた白塗りの窓は童話の世界を演出している。 さらに半島を北上して突端からフェリーで4時間程ノルウェー に入ると、デンマーク系ではあるが、ノルウェー独自の窓が 現れる。それはノルウェーを代表するスピルカ社の回転窓だ。 この金具会社はノルウェー北西部の海岸沿いの町オールスンド というところにあり、この町の超優良企業である。 さすがにこの地域でみられる窓の半数近くはスピルカ社の 金具を使った窓だ。この窓金具は一見してすぐそれと解かる。 日本の大手某住宅メーカーの主力の窓は実はこの金具を 使ったものである。 ![]() ![]() 組合せカッターだ。 一つの加工形状に対して、一個の組合せカッターを使用する。 ドレー・キップの製作には、10セット以上の組合せカッターが必要だ。 カッターメーカーの殆んどは超硬チップの替刃方式をとっている。 ドイツ窓の製作には組合せカッターが必要不可欠でメーカーの選定も 重要なポイントだ。加工機械とのマッチングも大事なことで、見本市で 見つけた加工機メーカーの勧めで、ドイツのオッポルド社と言う カッターメーカーを選んだ私は、見本市の数ヶ月後にドイツ中南部にある オーバーコッヘンという町にあるこの会社へ出向いた。翌朝の訪問を 控えてホテルをとったが、朝食で東洋人とおぼしき男性と出くわし 相手から声を掛けられて驚いた。「貴方もツアイスに行かれるのですか?」 そう、この町は小さいところだが、カメラ好きなら良く知っている カール・ツアイスの西独の本拠地だったのだ。その時私はドイツは すごいなと思った。こんな片田舎の町にカッターメーカーがあったり 世界的に有名なレンズメーカーの本部があったり……。 ドレー・キップは建物に納まった状態では非常にシンプルに見えるが、断面はかなり複雑だ。 サッシの外側はさらに金具溝が全周に彫られ 金具が装着される。 下枠の外側にはアルミの水切り材が付けられ、 雨水をはき出す仕組みになっている。 さらにゴム製のパッキンが廻り気密を保つように なっている。金具はこの気密材により室内側に くるため外気にさらされることが無く、外開きや、 引戸など他の窓よりは金具の受けるダメージが 非常に少ない。20年経った窓でも、操作性に 殆んど問題が発生しない。 このことは製作当初(20年前)から理屈としては 理解していたことだが実際に経験してみると、 この窓は本当に良く練られて設計されている事が 解かる。
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